第52回せと陶祖まつり
The 52nd "Seto Toso Festival"

(Photos taken on Apr.20, 2013)
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第52回せと陶祖まつり(2013.4.20と4.21)では陶祖生誕800年を記念し各種イベント
が開催され、天気にも恵まれ2日間で7万8千人の人出となった。
*2012年から3年間は陶祖生誕800年を記念。

このウェブページでは沢山のイベントのうち、1つのイベントにスポットを当て紹介します。

そのイベントとは4月20日・21日催されたワークショップ「焼かない瀬戸の土プロジェクト」。
瀬戸信用金庫栄町支店駐車場で開催されたこのワークショップは、10cm四方のタイルを
作り、模様を描いて持ち帰る、というもの。 

成形方法は、キラと酸化マグネシウムと水を混ぜて成形し大気中で干すだけという簡単なもの。
排出される運命の産業副産物を活用し、しかも火を使わないので、環境にも優しい成形方法。

瀬戸市では陶土やガラスの原料となる珪砂からは大量にキラという副産物が出る。そして
この副産物はほとんど排出されている。愛知淑徳大学はこの産業副産物であるキラに新たな
資材としての可能性を発見すべく研究中。

焼かずにレンガ等を作る技術を考案した東京の建築家山下保博氏のアドバイスを受け、
愛知淑徳大学メディアプロデュース学部助教の道尾淳子氏と同学部学生がキラの活用を研究。

瀬戸市では陶土もガラスの原料である珪砂も産出される。陶土から出るキラ(微粒珪砂)や、
珪砂を精製すると出る1〜2割のキラの粒子は細かいのでガラス製造に向いていないとされ、
ほとんどが採掘地に埋め戻される。
業界団体によると2012年度は少なくとも12万トンが排出された。


名鉄尾張瀬戸駅から瀬戸信用金庫栄町支店へ行く途中(道路の右が瀬戸川)
瀬戸信用金庫栄町支店駐車場(ここでワークショップが開催された)
今回のワークショップでは各々のキラを使ってタイル作りを体験
珪砂から排出されるキラ
<ウェブ作者はこのキラを
原料に使用>
陶土から排出されるキラ
<写真ではわかりにくいが、珪砂
からのキラのほうが粒子が細かい>
大きい白いボールの中に紙コップでキラと酸化マグネシウムと水を入れ、混ぜて練った
ものを、茶色の成型用枠(マス)に入れ、コテで成形するだけ。右の写真は成形したタイル。
これを10日間程自然乾燥させると白くなり完成品(縦x横:10x10cm)となる。
*10日間の内容:制作から3日間は袋に入れたまま湿潤を保つ(養生期間)
その後1週間程度は乾燥期間(袋から出して日干し)
新進作家作品展
<瀬戸川を挟んで瀬戸蔵のほぼ向かいにある「青の広場」で新世紀工芸館の
研修生・修了生制作の陶器やガラス作品、瀬戸染付研修所修了生制作の
瀬戸染付焼の磁器の展示・販売が催された。瀬戸染付研修所修了生が各々
の作品の前で説明されていた。研修生や修了生がそろって展示販売の会場に
立たれることは滅多にないので、単に作品を購入という以上の値打ちがある>