赤津焼体験
"Akazu-Yaki Forming Experience" -
(Photos taken onOct. 22, 2005)
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2005年9月にE-メールで「赤津焼体験」募集に応募したら、応募者多数の中から
抽選の結果、当選との知らせが手紙で送られてきた。

当選者は25名。ご出身は瀬戸市以外に岐阜県、名古屋市、春日井市、小牧市、
尾張旭市などです。

体験日時 2005年10月22日(土)9:00 - 15:00
   場所 赤津焼会館 (赤津窯業作陶室)
       瀬戸市赤津町94−4 TEL 0561-21-6508

≪参考≫赤津焼会館北側に立っている「赤津窯の里めぐり散策マップ

作陶体験場所の前に張ってあった、説明書<(財)伝統的工芸品産業振興協会作成>
の一部に次のように書いてあります。

<説明書の一部初め>
本事業は、主に学生・社会人等の皆様を対象として、伝統工芸士をはじめとした
伝統的工芸品の産地従業者自身による伝統的技術・技法の公開と説明を行う場
を提供し、技術・技法を継承する必要性についてのご理解を深めていただくことに
より、伝統的工芸品産業を支える将来の伝統工芸士の卵を発掘し後継者の確保
を図ることを目的として実施しています。
<説明書の一部終わり>

午前8:50集合し、午前9時から、小研修室にて赤津焼の歴史などを伝統工芸士
が説明されました。 

赤津焼伝統工芸士6人(梅村、小林、中島、近藤、稲垣、加藤 各氏)が紹介
され、梅村氏が代表で次の通り説明されました。

<説明の一部初め>
豊田市と瀬戸市の境界にある猿投山の麓に1200年位前の猿投古窯群が
これまでに、1000箇所位発見され、地下3mの発掘は完了した。

昭和59年に赤津焼は伝統工芸に指定された。その時には赤津では釉薬を35
種類使用していた。通産省により、釉薬の呼称を整理してほしいとの要請があり
最初に虹の意味であるレインボーが浮かんで、釉薬を7種類の呼称に統合した
との裏話を説明されました。

日本には206の伝統工芸がある。そのうち、陶芸部門は30。
しかし、伝統工芸の中で、原料に不安がないのは瀬戸だけ。

6古窯の中で瀬戸だけは、1300年前から陶器に釉(灰釉、鉄釉)を掛ていた。
理由は、日本の土は鉄分が多いので、焼成すると赤っぽくなるが瀬戸の陶土で
ある蛙目粘土(がいろめねんど)だけは、焼成すると白くなる。従って、釉掛け
すると映えるので、釉薬の研究が進んだ。

岐阜県出身の古田織部は1万石の大名だが、彼が抹茶茶碗に青織部と志野
を好んで使ったので、「青織部と志野」は「織部好み」と言われた。

織部には赤織部、絵織部、黒織部(鉄分が多いので鉄釉系の分類に変更される)
、青織部がある。このうち、銅を含む青織部が一般に「織部」と言われる。

鉄釉系には、引出黒、織部黒、黒織部とあるが、焼成や取り出す時の状態に
よってそれぞれ特徴がある。
<説明の一部終わり>

今回体験する成形方法はロクロ成形・たたら成形。
ロクロ成形では2個の作品を作り、それぞれ、織部釉または黄瀬戸釉を選び、
たたら成形では1個の作品を作り黄瀬戸釉が掛けられます。

焼成時の縮小率はたたら成形では約10%、ロクロ成形では約14%。

場所を作陶室に移し、伝統工芸士がロクロ成形・たたら成形方法を実演。
成形に使う粘土は全て瀬戸市で掘った粘土で、蛙目粘土(脚注参照)が
主成分ですが、成分等詳細はノウハウのため、開示されません。伝統工芸士の
方々がおっしゃるには、一般の陶芸教室で使う粘土と違い、プロが使う非常に良い
粘土のようです。
体験者がいよいよ成形実践。 ロクロは9台の為、ロクロ成形とたたら成形の
グループに分かれ、成形開始。伝統工芸士の方に聞きながら、或いは、手直し
してもらいながら、なんとかロクロで2個、たたらで1個を成形完了。

最初に説明を受けた小研修室に戻り、自宅から持参したおにぎり等を食べ、
1時間後に高台作り、外形の余分な粘土の削り取り、模様付け、名前を彫り、
成形体験完了。
以後の作業(釉掛け及び焼成等)は赤津焼工業協同組合の方にやって頂けます。
乾燥には1週間近くかかるので、釉掛けは1日の体験ではできません。
本当は釉掛けがしたかったですが、なんともなりません。

赤津焼体験のような行事が11月まで詰まっているようです。
完成は12月予定で、12月の平日に赤津焼会館へ電話で完成予定日を確認して
各自が引き取りに行きます。

脚注
 蛙目粘土は1次粘土で、焼き物に使う。
  これに対し、木節粘土は2次粘土で、人形などの磁器であるノベルティに使う。
  現在、瀬戸市ではノベルティをほとんど作っていないので、木節粘土はほとんど、
  使われていない。現在、国や県等で木節粘土の利用方法を研究中。
2 豆腐の「にがり」は石膏が成分である。
3 マイナスイオン発生率は磁器より陶器のほうが高い。


赤津焼会館西 赤津焼会館東にある
陶製モリゾー&キッコロ
も飾ってある小さい
陶製表札?
赤津窯業作陶室の前に貼ってある
ポスター
伝統工芸士ロクロ成形実演 参加者がロクロ成形中
ウェブ作者のロクロ成形品
(手直し前)
ウェブ作者のロクロ成形品
(昼食後手直し、模様加工)
伝統工芸士による「たたら成形」
参加者が「たたら成形」中 ウェブ作者の「たたら」成形品
(手直し前)
手直し前の成形品を外で乾燥中