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Scenery No..243参照 昔の瀬戸市の中心部、桜町を歩くWalking of Old Center Area in Seto City |
2019年6月21日、湿度が高く熱かったので、折り畳み傘と水のペットボトルを持参し、瀬戸村の誕生 の謎を調べに瀬戸市街中心付近を散策。 [散策の動機] 2019年2月19日発行の「陶都瀬戸村物語」(作者 谷口雅夫氏)を最初の40ページまで読んで 作者の推測「瀬戸村は風水地理に基づき、風水都市として計画された」に刺激され、調査に出かけた。 *「陶都瀬戸村物語」の小見出しに「陶都瀬戸村の誕生秘話と陶祖碑建立の謎解き」となっている のでもっと奥深い興味あることが説明されていると思いますが、今回は少しだけ読んで調査に出かけた。 もう少し読んでから、また現地に行こうと思っています。 風水地理: 横軸の西に「白虎」、東に「青龍」の山が配され、縦軸が「主山 - 坐山<龍穴>(藤四郎山の南面) - 案山(経塚山) - 朝山 」という山列を成し、これらの山々に囲まれた空間としての「明堂」がある、 というのが風水地理。 2019年6月26日「陶都瀬戸村物語」のページを進めて気になり、石神社(いしがみしゃ)と熊野神社を 撮影してきた。地名の場所や意味も以下に示します。 <言葉の意味>出所:「陶都瀬戸村物語」やインターネット情報から抜粋 ★平城京や平安京が四神相応(ししんそうおう)の地であることは有名です。「四神」とは、東西南北の 四方を守る神のこと。東は青龍(せいりゅう)、西は白虎(びゃっこ)、南は朱雀(すざく)、北は玄武(げんぶ)の 四神。都市を作る際には、その地相の吉凶を判断するため、風水の考え方が取り入れられました。 山の連なり、つまり山脈を龍に見立て、その内部に流れるエネルギー(気)を「龍脈」とし、そのエネルギー が吹き出すスポット(穴)を探し求めます。前後に相対する山が左右に偏っておらず、左右の山も高低差 がない十字対称な地形であり、こういう地形構造を備えている場所が風水の吉地となります。これら 東西南北の山を基点として、それぞれを結んでできた十字軸の交差点を「龍穴(りゅうけつ)」といい、 その龍穴の前の広い平地を「明堂(めいどう)」といいます。 ★瀬戸村の吉地は本郷地区 瀬戸村の場合、北の玄武の山は旧「上水野」三角点のあった峰、南の朱雀の山は「山口峠」三角点、 東の青龍の山は「赤津」三角点のある峰を、また西の白虎の山は窯神神社のある峰をあて、これらを 結んでできた十字の交差点、つまり「龍穴」は陶祖公園にある陶祖碑のすぐ近くの南斜面となります。 そして、龍穴のある陶祖公園と南に位置する経塚山との間には開けた空間があり、これを「明堂」に あてることができます。この明堂を求めてから、瀬戸村の最初の都市づくりの場所と定めようとした、 あるいは最初の都市づくりの場所と定めてから占ったものと考えられ、それがまさしく本郷地区なのです。 本郷地区では、さらに理想的な風水地理が求められました。南の経塚山の頂上から真北への直線と、 東の弥蔵ヶ峰の頂上から真西への直線との交差点(深川神社から京間300間)に「山ノ神」(山口神社) を創祀(そうし;「祀」は神様をまつるという意味、を創祀とはその場所で神様を最初にまつること)した と推測できます。その際、前後左右が対称の理想的な地形構造とするために、西に開けているのを 補う工夫として、「山ノ神」から京間100間(約200m)のところに人工的に盛土をして山を築いた。 江戸時代後期の村絵図に描かれる小さな山(「藤四郎宅跡」と記される)がこれに当たる。さらに、 本来方位の守護神であった四神に「山・川・道などといった地形条件が加味され、東に川あれば、 青龍、南に池あれば朱雀、西に道あれば白虎、北に山あれば玄武という具合に、このような条件に かなう地が理想的な四神相応の地とされる」といった、四神相応の理念が異なった内容となり、日本 に流布するようになった。北の玄武の山は「藤四郎山」、東の青龍の川は「寺本川」、南の朱雀の 澤(池・湖)は「祖母懐の雨池」、西の白虎の大道は名古屋城につながる「名古屋への道」になぞらえた のです。 ★北新谷(しんがい):尾張瀬戸駅から深川神社にかけて、窯元や陶磁器問屋の屋敷が軒を連ね ていた地域。深川神社の参道やその周辺は瀬戸で最もにぎやかな場所であった。 ★南新谷(しんがい):瀬戸川を挟んで尾張瀬戸駅の南に広がる地域。 瀬戸市文化センターなどがある。 ★神社について 瀬戸村のまちづくりの中心は「山ノ神が鎮座する山口神社」。 瀬戸村における古い神社は深川神社(「延喜式神明帳」に記載されているので平安時代には 官社に指定されている)。1670年前後の寛文年に藩撰された「寛文村々覚書」には、 「八王子、権現、山神、社宮神(しゃぐうしん)の社四ヶ所」と記されている。 1深川神社(八王子):瀬戸村の氏神。八王子とは深川神社のことで、天照大神の8人の御子 (五男三女)が祀られている。 2山ノ神(山神社):山神は山ノ神を指している。山ノ神は山口神社とも呼ばれる。 3石神社(いしがみしゃ)(社宮神):社宮神は石神社を指している。 現在、西郷町にある。山ノ神の西南の方角にあり裏鬼門。祭神は猿田彦命とされる。 *石神社の説明板の字がかすれて読みない箇所が多い。 祭神は「猿田彦命又の名大土御祖神」と書いてある。 *東北の鬼門の方角には宝泉寺がある。 4熊野権現(権現):権現は熊野権現を指している。裏鬼門の場所にある。熊野神社には 「三嶋若 文政7年(1824)8月吉日 仲井・仲切・小西」と刻書された手洗石がある。 文政7年5月に窯神遥拝所の取立が認められるが、その3か月後に北新谷・南新谷の若者組 によって奉納されたものである。 *権現とは、仏が化身して日本の神として現れたもののことを指す。これは平安時代末期から 流行した本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)であり、奈良時代に始まっていた神仏習合を 理論に基づき定義したもの。明治維新の神仏分離令により、権現の神号や修験道が 一時禁止されたため、権現を祀る神社の多くは本地仏(ほんじぶつ)を廃して祭神(垂迹神) のみを祀るようになった。瀬戸村の熊野神社が江戸時代の地誌類に、「権現祠」「熊野権現」 と記されるのは」、これを物語っている。 2019年6月27日「陶都瀬戸村物語」を参照し自分なりに「吉地を選定するための四神相応の 考えを示す図」を作成し追記。 |
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磁祖「加藤民吉」を祀る窯神神社がある山が正面に見える (左は名鉄尾張瀬戸駅に隣接する「パルティせと」) |
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瀬戸市東郷町の山口神社 (山ノ神が鎮座し、風水地理で言う明堂の中心点<正穴>) |
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山口神社の右にある石碑「庚申」 |
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陶祖公園(瀬戸公園のこと)がある藤四郎山の南面 |
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陶祖公園への登り階段(色とりどりの陶板が綺麗) |
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陶祖公園案内図 |
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陶祖公園の六角陶碑堂 (坂の登り口左右に日本最大の志野焼灯籠が透明のガラスに保管されている) |
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「瀬戸公園」園名碑(左)と献納祭器窯址之碑(右) 「瀬戸公園」園名碑: 明治43年(1910)、瀬戸市では市を挙げて「春慶翁700年祭」が行われています。 この時に六角陶碑周辺の「瀬戸公園」の整備を行いました。この園名碑は、 当時、公園の入口に設置されたものです。 献納祭器窯址之碑 (昭和16年<1941>11月建立 昭和15年<1940>6月10日橿原神宮において 『紀元二千六百年祭』が執り行われました。この祭典に使用された祭器の制作は 瀬戸剛磁器工業組合に下命され、この公園内に窯を築き、祭器を焼き上げ、 橿原神宮に献納しました。その後、窯は取り壊されこの窯址に碑が建てられました。) |
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陶祖公園から西を望む(写真中央奥に、お亭山<おちんやま>が見える) |
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陶祖公園から南を望んだ合成写真 (経塚山は右に見える山) |
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瀬戸市前田町の深川児童遊園(奥に「陶祖春慶翁宅跡」の碑が見える) *「陶都瀬戸村物語」に山ノ神から西に約200mの場所と書いてあったが、その通りだった。 「陶祖春慶翁宅跡」の説明板: この陶祖春慶翁宅跡の碑は、昭和24年(1949)に建立されました。春慶翁とは、 陶祖といわれている加藤四郎左衛門景正(通称 藤四郎)の別号で、瀬戸に やきものを伝えた人物として知られていますが、その生涯は未だ解明されていません。 この碑がこの場所に建てられることになったのは陶祖公園にある六角陶碑の碑文に 「陶祖の宅跡を中島といい、瀬戸村深川神社東辺の田園の中に在り、杉一株を樹(た)て、 以ってしるしとなす。」と書かれていたため、杉の巨木があったこの地が宅跡とされました。 人々の記憶と様々な記録をつむぎ、この地は藤四郎の生涯をうかがい知ることができる 場所として現在に残されています。 |
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深川児童遊園正面の杉の巨木(巨木にしては小さい) |
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宮前橋歩道橋から東を望む (奥の左に三国山、右に猿投山が靄がかかったように見える) |
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宮前橋歩道橋から北をズームで撮る (中央の奥に深川神社が見える) |
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宮前橋歩道橋から西を望む (左に窯神神社がある小高い山、その右がお亭山) |
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6月26日撮影 |
熊野神社(熊野町) |
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石神社(いしがみしゃ)西(正面)入口 |
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石神社(いしがみしゃ)北側の入り口 |
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石神社(いしがみしゃ) |
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